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人間禅での修行を実社会でどう生かしているのか。変化の激しい日々の暮らしの中で、どのように平穏な心を保つ精進を心掛けているのか。未熟ながら修行中の者が考えてみました。我々が日々学んでいる文献等については、「人間禅」のホームページをご参照ください。https://ningenzen.org
茶道の成り立ちと茶禅一味|再録「禅と茶道」 輯熙庵内田慧純老禅子

2 茶道の成り立ちと茶禅一味

 

 さて、本来の茶の湯とは一体どういうものでしょうか。今まで茶の湯と言い、あるいは茶道とも言ってきたのですが、その本来あるべき姿はどういうものでしょうか。

 まず東洋では、いろいろの分野に道という字をつけて呼びますが、茶道をはじめ、剣道、柔道、合気道などの武道や、書道、華道などの芸術的なものに広く用いられます。これが剣術でなく、あるいは茶術や書術でなく、なぜそれぞれ道とつけて呼ばれるのかといえば、それらの技術や芸能というものを通して、人間を磨いていく道の意味を含めているのです。単に小手先の技の修練、熟達に止まらす、その行を通じて人間らしい、本物の人間を完成していくために通る道を指しているのです。
 そして、重要なことは、それに応えるに十分な精神性の高い理念と、永年にわたって培われた方法・技術の内容実質を備えた東洋独特の分野の道であるということです。
 では、茶の湯が茶道として、どのように成立してきたのか、その成り立ちを簡単にふりかえってみたいと思います。茶の味わい、趣きを深く理解するためには、茶道の創立を担った人びとの精神にふれることが重要だと思うのです。

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道

 

 

 

 

 

posted by ただいま禅の修行中 | 18:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
人間禅道場 9月の茶花

9月に入り炎天と風と雨とで毎日のように天気が変わり、出かけるには傘が離せない日々です。草花や木々には格好の天気で伸び伸びと育っています。

令和2年9月上旬頃の茶花の報告です。

この時期は茶花が極端に少ないです。

 

【草花編】

1.明日葉(アシタバ)の花が咲きつつあります。今日摘み取っても明日には葉が出ると言われている花です。この花の葉と茎は食用野菜として大島と八丈島では栽培されています。道場には数本食べずにこの花が面白いので茶花とします。散形花序の白い小花を蜜生につけます。葉が大きく茎も太いので場所をとる花なので皆さんには喜ばれませんが、蕾と花だけは見る価値があります。植えてある所は掲揚塔の茶花園と倉庫の脇の茶花園に数本ずづあります。

 

2.猫じゃらしが咲いてます(別名えのころぐさ)。普段雑草として嫌われますが、緑色の穂をつけた状態は最高です。茶の花の少ない時期ですので穂をつけた猫じゃらしを数本入れて飾ると爽やか感があります。どこにもあるのですぐ抜かれます。また、ほんとうに猫と遊ぶと楽しいですよ。

 

3.竹煮草(たけにぐさ)が蕾を膨らませています。数日後には咲くでしょう。大形の多年草で高さは1〜2メートルとなり、茎は中が空で黄色の乳液を出します。筋が固いので手で切れません。その代わり黄色の乳液がつき、なかなか落ちません。多数の小花を付け円錐状に咲きます。その姿はうつくしいです。茶花として使うときは蕾状か少し咲き加減が良いです。荒地には必ずある花ですが、道場では隣接地との境に出てます。

 

4.芒(すすき)が穂を出し始めています。秋の七草としてなじみ深いです。昔は到る所の原野や土手にある大形多年草です。高さは1〜2メートル茎は細く直立しています。道場のは普通の芒はありません。矢筈芒(別名 矢ばね芒)の普通のと細芒があります。倉庫近くの茶花園にあります。

 

【樹木編】

1.の白色が咲き出しました。1日花なので花がこぼれていましたら近くを見ると良いです。垂下して咲いてます。白萩は高さが2〜3メートルにもなります。枝は1年で1〜5メートルも伸びます。20個あまりの蝶形花をつけます。これは園庭の近くにあります。ミニ萩は地面を這うように伸びて可愛い小花をつけてます。掲揚塔の茶花園にあります

 

佐藤妙珠(中央支部) #茶道部

 

 

posted by ただいま禅の修行中 | 15:00 | 中央支部 | comments(0) | - |
茶の湯の女性化(2)|再録「禅と茶道」 輯熙庵内田慧純老禅子

在りし日の筆者 輯熙庵内田慧純老禅子

 

1 現代と茶道 利休に帰れ

  (3)茶の湯の女性化
 

 ところで、利休に帰れの提唱は、単なる復古の主張ではなく、利休の創造的精神にも学べということですから、現代にふさわしい革新への道を閉ざすはずのものではないでしょう。如何なる伝統文化であっても、時代の流れに従い、時の人びとの好みに導かれて変容していくのが自然ですが、それはあくまでも本質を見失わず、質の低下を許さないものでなければならないのは当然です。日本文化の粋として世界に誇るに足る本物の茶を、異国趣味に終わらせる事なく、正しく伝えるにはどうしたらよいか。もちろん四畳半の小間の茶を味わって頂くことが最良の方法には違いありませんが、これは少数の限られた人びとにしか許されません。そこで私の期待したいのは、現今の大寄せの茶会があまりに儀礼、社交の面に片寄り過ぎている点を改めて、茶のもつ芸術性・精神性をもっと強調し、総合的にその調和をはかる茶会の試みであります。利休の創造的精神にならって、新しい現代の茶会が生まれることを望みたいのです。
 茶の世界における女性化は、そのよしあしを別にして、茶道界を支える大きい力になっているのです。今後、どのような推移をたどって、女性が茶の進展にかかわっていくか注目されるところなのです。茶道教授を職とする多数の女性がすでに育ち、また後に続く女性も少なくない現状でもありますから、女性の自覚的参加によって、女性化による問題を克服して、茶道文化の正しい発展に寄与していくことが望まれるわけです。

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

 

posted by ただいま禅の修行中 | 09:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
茶の湯の女性化|再録「禅と茶道」 輯熙庵内田慧純老禅子

(3)茶の湯の女性化
 現代茶の湯が流行しているのにもかかわらず、その内実においてすたれつつあるとすれば、その要因はどこにあるのでしょうか。
 時代の潮流の影響を受けていることはいうまでもありませんし、もちろん茶の湯の伝統を支えている人びとの責任が大きいのですが、ある人が、茶の湯の堕落は、茶の人口の女性化にあると指摘しています。一般のあいだに茶の湯が普及し茶はあたかも女性の占有物のようなありさまとなってきています。昔、茶席に女性が出ることさえ許されなかったことを思えば、隔世の感があります。
 茶の湯の普及の歴史をふりかえってみますと、結婚前に女性が茶を習うという風習が、明治以降の良妻賢母を育てる教育方針に伴い徐々に定着して、女性の茶人口が増加してきたのです。第二次大戦後は、女性解放、女性の経済的自立の潮流にのって、華道や舞踊などの他の伝統的芸能や、その他あらゆる分野の傾向と同様に、茶の世界への女性参加が急激に進んできました。学校、職場、社会のさまざまの教育分野で茶を稽古する女性の数が、かつてないほど多数にのぼってきたのです。
 このような大衆化が俗化につながりやすいのは茶の世界ばかりではありません。急速に進んだ生活様式の西欧化、利便化とともに、このような女性化が茶の世界に影響を与えずにはおかないでしょう。本質を見失い、趣味に止まり、遊芸に堕していると指摘される現状のなかに、たしかに女性化のひき起こした問題があるといえるでしょう。
 東洋的精神は茶道にもとづくもの、と主張した岡倉天心の『茶の本』などを学び、東洋の心にふれる期待をもって訪れる欧米人が日本の茶に接して、「どうして本当のお茶を私たちに御馳走してくれないのですか」と問いかけると聞きますが、たしかに、セレモニーとして、外国人を接待する今の茶会では、若い女性が着飾って、はなやいだ雰囲気のなかでお茶がすすめられますから、点茶の作法や特異性や、日本文化のはなやかな美に対して異国情緒は感じ取れるでしょうが、これでは本当のお茶をと言われるのも無理からぬことです。最近一般化したいわゆる大寄せの茶会では真の茶味は味わえないと思われるのですが、茶会はほとんど大寄せとなってしまいました。

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

 

posted by ただいま禅の修行中 | 10:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
市川の本部道場 8月の茶花

8月は長雨の後ですので、どの草花も木々も伸び伸びと育っています。

コロナ禍の最中では申し訳ないブログですが、令和2年8月上旬頃の茶花の報告です。

この時期は茶花が大変少ないです。

 

【草花編】

1.秋海棠(シュウカイドウ)の花が咲いています。肉厚の茎をもち直立し、卵型の葉を互生しています。花の色は淡紅色です。稀に白花も咲きます。葉の裏側には白と赤色等があります。江戸時代に中国から持って来たそうです。その土地に馴染むと毎年増えます。吉野桜の茶花園と北寮の裏側の細い路地にあります。この花との取り合わせはいろいろできますので楽しんでください。

 

2.藪蘭(ヤブラン)が咲き始めました。ジャノヒゲに似ていますが、大きく太く30センチ〜50センチ前後の細長い葉を多く出します。葉の間から花茎を出し淡紫紅色の小花をたくさん付けています。この花が秋に黒褐色球形の種子を付けます。そのほうが面白いので秋には有名な花です。でも花が直立して緑の葉を従えている様は見事です。道場のそこここに植えてありますが、近年歩道と区別するために移植しております。

 

3.やいと花(別名:屁クソ蔓・早乙女花)が藪と垣根に絡み付いて咲いてます。集合状態で咲き、灰白色の漏斗形で底は赤褐色です。目立つ花ですので見つけやすいです。木の花の名前の由来が面白いので紹介します。花色がお灸の後に似ているからヤイトバナ、また草そのものに悪臭があるのでへクソカズラと云われています。小花で目立つ花ですので、この時期に茶花としてよく使います。

 

【樹木編】

1.百日紅(サルスベリ)の花が白く咲いてます。茶花としては殆ど使いませんが、この時期に咲く花は少ないので紹介します。白花は少ないのですが、本部道場にはあります。高い木なので花が落ちていると分かるという木です。木肌に特徴があり、サルが登るのに苦労するほど滑らかで木肌が見える木です。南寮の剣道場寄りの庭にあります。この花と同様ですが、以前には隠寮の茶花園の石橋近くに夾竹桃の白花がありました。老大師ご夫妻は白色の花の木々を植えられていたのですね。

 

2.芙蓉(フヨウ)の白い花が咲きました。剣道場の竹林にあります。水揚げが難しいですが、素敵な柔らかい白花です。

 

佐藤妙珠(中央支部) #茶道部

 

 

 

posted by ただいま禅の修行中 | 15:00 | 中央支部 | comments(0) | - |
茶の湯の現状(2)|再録「禅と茶道」 輯熙庵内田慧純老禅子

 

(2)茶の湯の現状

 本来、茶の湯は、決して日常生活と縁のないぜいたくな遊芸ではありません。道具の多少や華美な衣装を誇る場でもありません。道具はありあわせ、衣服は清潔であれば十分です。茶室がなければならないことでもありません。利休当時の茶の湯の精神が失われてしまうことを恐れて、心ある人びとが、徳川時代以降引き続き、「利休に帰れ」という提言主張をしておりますが、現代においてはその必要がとくに強く感じられます。

 現代の日本は、物質的繁栄を追い求め、そこに価値を見出している時代で、その上に人間の幸せが築かれると考えております。たしかに、その成果として、貧困や無知や病気からかなり解放されてきていますし、大部分の国民は中流意識をもって、その繁栄を謳歌するに至っています。しかし、その反面、心の病む時代、心の貧しい時代ともいわれております。猛烈に働く今のサラリーマンの二十パーセントはうつ病の予備軍だと指摘されるほどですし、家庭で、学校で、社会で、さまざまな病理現象が急速に吹き出してきています。

 物質の洪水とその束縛から離れ、病める心の健康をとり戻すために、現代の人びとの心をとらえている価値観を、この辺で転換する必要がありはしないでしょうか。このような価値観の反対にある価値観が、利休の大成した侘び茶道のなかに見出されます。金で買うことのできない、かけがえのないもの、茶の世界にはそうした素晴らしい豊かな精神性、価値観が培われているのです。「利休に帰れ」という提唱は茶の世界に限らず、現代の社会の人びとにとっても重要なことのように思われるのです。

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

 

posted by ただいま禅の修行中 | 13:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
人間禅道場7月の茶花

7月は木々の緑に包まれて、とても良い風景です。

令和2年7月上旬頃の茶花の紹介です。

 

【草花編】

1.藪茗荷(ヤブミョウガ)の花が咲いています。手の平を広げたような若緑の葉の先に白い丸い形の花です。藪茗荷は道場全体にあります。秋にはその花の後の実が青くなり、この時期の実もまた茶花として使うことができます。ただ背丈が高いので普段は喜ばれない花です。

 

2.藪菅草(ヤブカンゾウ)が咲き始めました。花は濃い黄褐色で、さらに濃い色斑紋が内部に見られます。濃い色のため、これはあまり茶花としては生けられませんが、蕾の時を使うことをおすすめ致します。最近までは道端に咲いてましたが見られなくなり貴重な花です。正門の垣根と茶花園に咲いています。日光黄菅(ニッコウキスゲ)の咲き方と全く同じですが花の色のため嫌われ物なので扱いが全く違います。

 

3.破れ傘(やぶれがさ)の花は目立たない小さい淡紅色で、その後の色は薄鼠色です。茎先に咲いています。葉の芽が出る時は注目されます。その形が破れ傘状だからです。花の咲いている時は“添え”として時々生けます。藤棚の下の茶花園に少し増えて来ました。

 

4.矢車薄荷(やぐるまはっか) 倉庫の近くの茶花園に初めて咲きました。薄荷の名の通り葉はなめるとハッカの味がします。矢車薄荷の名は、花の形が矢車に似ていることと芳香が有ることからきてます。似た名前で矢車草がありますが、これは葉の形が5月の鯉幟等を飾る高い支柱の上の矢車の形から来てます。このように身近な物から植物は名前が付けられています。

 

5.水引草(水引・毛蓼) 4種類が道場にはあります。よく気をつけて見ないとわからない程あちこちにあります。花の色が白・赤です。葉に斑入りで赤色・白色の花が咲きます。茎の先から長い穂状につき咲きます。細かい穂状の花がびっしりと咲き、お祝い等に使われる水引に似ているのでこの名が付いています。金水引という名のつく草があります。これは名前が似てますが、葉の形と咲き方が違い花の咲き方は虎の尾の花の咲き方です。雑草と思われ少ないです。

 

【樹木編】

 

1.木槿(ムクゲ)の花が咲き始めました。ある場所は保育園入口と園庭前の茶花園にあります。園の入口の花は薄ピンクで詳しい名は「花笠」です。また園庭前の花は白で中程に赤色ですので「日の丸、宗旦ムクゲ,ソコベ二(底紅)」といいます。一日花ですので蕾を用意しておくと良いです。夏の茶花では一番生けられます。

 

2.南天・万両・藪柑子の花が白く咲いてます。花の時期には殆ど生けられません。茶花としても生けられませんが、花の少ない時には皆さんの腕の見せ所です。この樹木は冬の正月の飾りとして赤い実の付いているのを色々に使われます。繁殖率がありますので道場のいたるところで見られます。藪柑子は地面にあります。下を見ると見られます。

 

3.紫陽花が咲いてます。大木になりつつあります。額紫陽花と雪洞紫陽花です。苔山・陰寮前の垣根・南寮玄関近くに咲いてます。

 

4.色々の若い実が付き始めています。上を向いて歩くと形の面白い実を見つけられますよ。

 

佐藤妙珠(中央支部) #茶道部                               

 

posted by ただいま禅の修行中 | 17:00 | 中央支部 | comments(0) | - |
茶の湯の現状(1)|再録「禅と茶道」 輯熙庵内田慧純老禅子

(2)茶の湯の現状

 ところで、現在、茶の湯の現状はどのようでしょうか。それは一口にいって、これから私が述べる本当の茶の湯、茶道というものからは大分遠いように思われます。

 茶道第一の書と言われる『南方録』の滅後の巻にはすでに、利休の言われた言葉として、次のように記されております。

「十年ヲ不過(すぎず)、茶ノ本道捨(すた)ルベシ」。この意味は、自分の死後、十年もたたないうちに、茶の本来の姿はすたるであろうというのです。そして、「スタル時、世間ニテハ却而(かえって)茶ノ湯繁昌ト思ベキ也」と続いています。本来の茶道の姿が見失われて行くであろうけれども、そういう時はかえって茶の湯が繁昌して、多数の人が関心をもつに違いないというのです。

『南方録』は、利休の弟子南方宗啓が、平素の師の教えを書きとめた、いわゆる聞き書きですが、滅後の巻は利休の三回忌に際して書かれたと伝えられます。たしかに利休の死後、茶の湯は、その創成期の生き生きとした息吹きを失い、だんだんと硬直化、形式化の道をたどり、先人の遺した形や寸法に固執するのみで、自由な茶の心を失ってきているといわれます。

 利休流の茶の湯は、その子孫や弟子によって多数の流派に分かれて伝えられてきましたが、現在、茶を習う人口は今までにないほどの多数にのぼって、まさに繁昌しております。とくに婦人が好んで稽古をするようになりましたので、一見まことに茶の湯の世界ははなやかに隆盛しています。しかし、このように普及してきますと、安易に流れやすく、稽古事として、点前の順序や道具の扱い、作法を覚えるに止まって、茶道の本質が忘れ去られていくのではないかと思われます。

 元来、日常茶飯事の言葉の通り、茶の湯は日々の生活の営みに深くかかわってくるはずなのに、特定の茶室のなかや茶会のいわゆる晴れの場に限られて存在すると錯覚してきてはいないでしょうか。さらに茶会を催す折に、道具屋より目新しい高価な道具を備えて借りる風潮がみられると聞きますと、「茶の道すたるべし」の指摘の通りといわざるを得ないのではないかと思います。

 ある人は、このような稽古や茶会の現状を茶の湯の疑似体験と酷しく批評しております。にせの体験というのです。せっかく茶の稽古によって学んだ技法や心入れを日常生活に生かすまでに深めないならば、単なる手すさびに終わってしまうのです。一時の体験に止めてしまうのは、あまりにも惜しいことです。永年にわたって茶の湯を生活に浸透させ、それによって人間形成していくことが望まれます。

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

posted by ただいま禅の修行中 | 20:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
穂先七竈と平小判草

中央支部五葉塾塾生の富嶽です。

通勤の電車もコロナ以前と大して変わらぬ乗車率となってきました。

自分の勤務も来週からは在宅勤務もなくなります。

 

朝の日課の一部であった座禅と茶道稽古も以前同様に行われるようになってきました。

今朝のお茶室の床の間に飾られた花は、穂先七竈と平小判草でした。

 

穂先七竈(ホサキナナカマド)の花はよくよく近づいてみると、小さな梅の花がこれでもか、とばかりに咲いているように見えます。

離れてみる姿と近づいてみるとまた別の顔が見えるというのも面白いですね。

 

平小判草(タイラコバンソウ)と先生が呼ぶ草は、調べてみると西洋小判草とか宿根小判草、偽小判草、ワイルドオーツというものらしく。

子どもの頃に野原で見かけたのもこの草ではなかったか。

 

お茶の稽古と共に色々な草木を教わるものの点前同様に覚えては忘れ、覚えては忘れの繰り返し。

それでも花と見れば興味関心をもって眺めるようにはなってきたなと感じています。

それは稽古の賜物なのか、はたまた齢を重ねたもののさだめなのか。

 

花の名前は忘れても

かの花は いつか見た花

微かな記憶と共に

その時の出来事が 朧気に重なる

あれから月日は巡り 今ここで出会う

 

会った花の名は同じでも

いつかみた かの花とは違う

我もまた かの時とは違う

 

また時が経てば巡り合うだろう

この花ではない その花に

その時の我もまた この我とは違う

 

年年歳歳花相似 歳歳年年人不同。

 

2020年6月17日

富嶽記 中央支部 #茶道部

posted by ただいま禅の修行中 | 21:00 | 中央支部 | comments(0) | - |
茶の湯には儀礼、社交、芸術、修行・・・|再録「禅と茶道」 輯熙庵内田慧純老禅子

(1)茶の湯の側面

 伝統的に培われた点前や道具、建物、庭など有形無形の深い趣をもつ茶の美に魅せられ、芸術的価値を見出している立場もありましょう。また、心のこもった社交の儀礼として、つまりセレモニーの方法と評価する見方もあります。

 なお極端な見方として、金持ちの道楽に過ぎないと否定的に見る見方があります。本来道楽とは、道を楽しむことで高次の楽しみのはずですが、現在普通に使われる意味の道楽とみなす見方です。財力にまかせて高い茶器を買い、ぜいたくな茶室を建てるなど、茶の湯が、庶民から遠い、金のかかる道楽となっているという批判です。

 たしかに、茶の湯文化は奥が深く、多面的な要素をもっています。人びとはそれぞれの立場や関心から自由に茶の湯にかかわっているのですから、見方や評価が分かれても仕方がありません。ここで以上のことを整理してみますと、茶の湯には、儀礼、社交、芸術、修行という性格があるといえると思います。

 そこで、本当に深く茶の湯の豊かな文化とその心を味わいたいとするならば、茶の湯の本質とは一体どんなものか、日本を代表する最も日本的な味わいとその文化体系とはどんなものか、もう少し茶の湯の世界に分け入って考えてみなければならないと思います。

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

posted by ただいま禅の修行中 | 15:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
茶の湯の側面|再録「禅と茶道」 緝熙庵内田慧純老禅子

1 現代と茶道 利休に帰れ

(1)茶の湯の側面

 まず茶の湯ということですが、日本文化のなかでも、最も日本文化らしい特色をもち、世界にも誇りうる極めて格調の高い文化といわれています。

 茶はもともと中国より伝わったものです。しかし、中国流の茶の製法と飲み方を取り入れてから、日本においては、茶の湯、茶道という独特の文化形式を育てあげてきたのです。つい先頃、日本の茶道のある家元の方が中国に行かれ、時の政治家や一般の方々に、日本式のお茶を点てて飲んで頂き、親善をはかったという報道がありました。つまりお茶の逆輸入によって文化交流を果たしたということです。中国の方々から、今までこのような飲み方を知らなかったと大変喜ばれたという話です。

 また先日は、ソ連の高官の来日を歓迎して、東京都で茶会を催したということも伝わってきましたが、このような例を挙げるまでもなく、日本文化を外国に紹介するときには、ほとんど決まったように茶の湯が取り上げられます。日本文化の代表のように扱われるわけですが、では、かえりみて、わが国の人々は茶の湯をどのように認識しているのでしょうか。これにはさまざまの見方や評価がなされています。

 第一に、茶の湯は非常に格式ばったやかましい作法があって窮屈な古めかしいものという表面的な認識があります。あるいは、若い女性が結婚前に礼儀作法を習う稽古事に過ぎないと見る見方もあります。あるいは、日本的に趣味や教養を身につける風流の道という位置づけもされていると思います。またお茶を通して人生を味わい人間形成をはかろうと願う人びともあるでしょう。(つづく)

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

 

posted by ただいま禅の修行中 | 13:00 | 八王子禅会 | comments(0) | - |
道場の6月の茶花

市川の本部道場には多くの茶花が植えられています。今回は6月上旬頃の茶花の紹介です。

〔令和2年6月の上旬頃〕

【草花編】

. 伊予蔓(イヨカズラ)が咲いています。地面を這うように淡黄色白色の花で小ぶりです。地味な花で見つけにくいです。茶花としては掛け花として使うと面白いです。掲揚塔の大きな欅の近くに咲いてます。

 

. 八重十薬(ヤエドクダミ)の八重咲きの白色で気品を持って咲いてます。普通の十楽と思われ何回も引き抜かれましたが、やっと根付きました。北寮茶室の茶庭の大きな石の周りにあります。

 

. 日光黄菅(ニッコウキスゲ)が群落状態で黄色の透明性で剣道場脇に直立し咲いてます。花自体は1日花に近いですが1本の茎に蕾が5〜7個付いてますので次々と咲きます。育てやすい花ですので株分けはいつでもできます。

 

 

. 蛍袋(ホタルブクロ)。蛍が入って隠れ易いほどの大きさで濃い赤紫色で下向きに咲いてます。この花も1本の茎に蕾を10個以上付けてますのでしばらく楽しめます。倉庫脇の茶花園に咲いてます。

 

. 鳥足升麻(トリアシショウマ)が白色で咲いてます。この近くには升麻関係の花が次々と咲きます。道場にあるのは山吹升麻・赤升麻があります。倉庫脇の茶花園に咲いてます。

 

 

. 竹葉草(チクヨウソウ)の茶色の花が咲き出しました。名前の通り竹の葉が細い茎についています。北寮茶花園にあります。

 

【樹木編】

 

  

. 泰山木(タイサンボク)の大きな乳白色の芳香ある花が咲きました。次々と咲くことでしょう。大きな大木となり約10メートル超えで下からでは花が見えなく禅堂2階の廊下からよく見えます。花も大きく、ままごとには皿としてよく使いました。

 

  

. 甘茶が咲きました。以前は目立たない場所にありましたが、今は北寮茶室の庭にあります。やっと根付き可愛い額アジサイ風に咲いてます。

 

. 売子の木(えごのき)の花が一斉に咲きました。期間が短いですが、その木の下には白色の花びらがたくさん落ち、一時期白色の絨毯が敷いてあるようです。隠寮入口の垣根近くと典座の外入口の水道近くにあります。

 

佐藤妙珠(中央支部) #茶道部

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再録「禅と茶道」 緝熙庵内田慧純老禅子

1 現代と茶道 利休に帰れ

 

 茶味という題で、これからお話をするわけですが、お茶の世界は、入れば入るほど奥深く、とても一片のお話でもって、その味わいを語ることはできません。ただ将来、茶道に親しまれ、その行に精進されて、茶味を味わいつつ豊かな茶の文化を楽しまれる契機となることを願いつつお話をすすめてみたいと思います。

 

 

※今回、緝熙庵内田慧純老禅子の「禅と茶道」をブログに掲載しようと思ったのは、禅の蘊奥を極めた老禅子の語り口が素晴らしく、禅についても茶道についてもわかりやすく書かれているからです。

 茶禅一味と言われるように、禅の心を表したものが茶道と言えるのではないでしょうか。

 これからあらためて新しいホームページに順次掲載していきます。

(このお話は、千葉大学教養部の総合科目の講義で、「茶味−茶禅一味の茶について」と題してなされたものですが、後で「禅と茶道」という題に変えて一冊の書となったものです。)

 

加藤紫光(八王子禅会) #茶道部

 

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令和2年5月某日 朝の茶席

本部道場塾生の富嶽です。

ようやく緊急事態宣言が解除となり、様々なイベントも動きだしてくることと思います。

道場での茶道稽古も少しずつ再開されました。

 

通常、名誉総裁老師が本部道場にお泊まりになられた翌日は、朝8時より名誉総裁老師(御年80歳)のお点前にてのお茶席があります。

ここのところコロナ自粛で名誉総裁老師のお泊まりがなかったことと、そもそも私の仕事の出勤時間の都合上、私はこれになかなか参加できなかったのですが、仕事がたまたま在宅勤務であったので久しぶりに参加することができました。

 

名誉総裁老師は作陶をされ、そのお茶碗が朝のお茶席で出されます。

私が言うのもなんですが、年を重ねるたびに茶碗が進化しているように感じ、最近は「思わず眼がとまる」ということが増えました。

 

名誉総裁老師の年齢にとらわれることのない様々な活動ぶりを目の当たりにするたびに、「我々も頑張らねば」と居住まいを正さずにはいられない心持ちがいたします。

 

写真は時計回りに

床の間に飾られた軸は如々庵老師の筆で「茶烟輕颺落花風」(ちゃえん かるくあがる らっかのかぜ)

お菓子は水羊羹と鶯神楽の実

お花は下野と大山蓮華

 

富嶽(中央支部) #茶道部

 

posted by ただいま禅の修行中 | 14:00 | 中央支部 | comments(0) | - |
道場の5月の茶花

市川の本部道場には多くの茶花が植えられていますので花が咲く時期に月毎に紹介をしてみます。

〔令和2年5月の中旬頃〕

【草花編】

 

1.あやめの紫色と白色が掲揚塔近くの茶花園で気品ある姿で咲いています。

 

2.ユキノシタの白と薄ピンク色が地面に丸い葉を広げて両忘塔斜面の他の植物に混ざって直立して咲いています。

 

3.二人静。直立し葉を4枚茎の上のほうに広げて其の中に白い花2本が直立して咲いています。ユキノシタと同じ場所に咲いています。

 

4.金蘭が苔山中心に26本黄色い花をつけて咲いています。昨年よりも多く咲きました。

 

5.えびね蘭の地味な色の花が咲いています。これは野生のえびね蘭ですが、道場の土地を好み毎年増えています。茶花園に咲いています。

 

6.なるこゆり(鳴子百合)。斑入りの鳴子百合が倉庫の前の大木の下にけなげに咲いています。

 

【樹木編】

1.はないかだ(花筏)。北寮茶室の近くの大きな石の傍に低木で一枚ごとに葉の真ん中に5ミリほどの薄緑の丸い形の花が咲いています。今年は昨年より多く花が咲きました。

 

2.つくばね(衝羽根)。ぽんておうちえんの外の水場の近くの茶花園に咲いております。3度目の正直でやっと根付いて来て花が沢山咲きました。この花は枝先に目立たない葉と同様の色で2ミリほどの大きさです。この花が注目されるのは、咲き終わって実になり、その実が羽子板で使う羽根に似ているからです。初釜の時期に茶花として多くもてはやされます。

 来年正月の初釜に使えたら嬉しいです。秋季摂心会ごろには実がなります。

 

佐藤妙珠(中央支部) #茶道部

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武蔵鐙(むさしあぶみ)と白山吹

 

本部道場塾生の富嶽です。

ほぼほぼ毎日お茶のお稽古があるのですが、今朝の床の間のお花は「武蔵鐙(むさしあぶみ)と白山吹」でした。

 

調べてみると「武蔵鐙」は昔、武蔵のあたりで作られた鎧に似たところからその名がついたそうです。

「鐙」とは、馬具の一つで馬の鞍の両わきにさげて足を踏みかけるもののことをいうそうで。

 

『伊勢物語』の13段に「武蔵鐙」という段があります。

 

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昔、武蔵なる男、京なる女のもとに「聞こゆれば恥づかし、聞こえねば苦し」と書きて、上書に「むさしあぶみ」と書きて、遣せて後、音もせずなりにければ、京より女

むさしあぶみさすがにかけて頼むには問はぬも辛し問ふもうるさし

とあるを見てなむ、堪へ難き心地しける。

問へば言ふ問はねば恨むむさしあぶみかゝる折にや人は死ぬらむ

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男が武蔵の国で新しい女と結婚し、もとの女に心苦しくもこれを告げる場面です。

 

鐙は馬具で両足を載せるものであることから、二股をかけているという意味とか、「武蔵逢ふ身」として男が武蔵で妻帯した身であることが掛かっているとか。

 

“いずれをとっても気を揉むことになる“意味あいで「武蔵鐙」は使われているようで、何やらコロナ騒動で揺れる緊急事態宣言をどうするかを悩む総理の心境にも当てはまりそうです。

 

宣言しても一方からは「経済が立ちゆかん」と責められ、しなければまた一方からは「感染が拡大する」と責められる……。

 

なんとも悩ましいところではありますが、どうせ責められるならやはり支持者の声の大きい方に落ち着くのでしょうか。

 

コロナに対して我々のできることは限られますが、何にせよ不安を煽るような情報には踊らされず「自分の身は自分の身で守る」気概を持って日々過ごしたいものです。

 

富嶽(中央支部) #茶道部

posted by | 21:59 | 中央支部 | comments(0) | - |
桃李一蹊の春(中央支部 茶道部)

ご巡錫の合間を縫って、名誉総裁(葆光庵丸川春潭老師)は北寮に泊まられた翌朝、日課のお茶を点てられます。

 

 

 

この日、床の間には如々庵芳賀洞然老師の書「桃李一春」。

菓子は、くるみの入った西洋風の菓子で桜の絵が描かれた絵懐紙が綺麗でした。

茶碗は、亭主葆光庵丸川春潭名誉総裁老師お手製。

赤い茶碗には濃い抹茶の緑が映えます。

花は、一子椿に黒芽柳。

まさしく春を満喫、二服いただき、美味しゅうございました。

 

 

 

  剣外(中央支部)#茶道部

posted by ただいま禅の修行中 | 01:05 | 中央支部 | comments(0) | - |